映像画像の方向性として、ドローンは非常に面白いシロモノだったのですが、日本では完全に胡散臭いガジェットとして定着してしまったので、なかなか人目につくところでは自由に飛ばせないほどになってしまいました。
なにか新しい物はないかな、とアンテナをはっていたところ、全天球カメラというのがストライクゾーンに入ったので早速購入。以下インプレです。
購入したのはリコーのTHETA Sというカメラ。
リコーのTHETA というのは数年前からリリースされていたわけだけども、画質の面などでなかなか厳しいところがあったのですが、今回のTHETA Sで少なくともコンデジクラスの画質にはなったということで、ようやく実用範囲かな、という印象はあります。
まあしかし、画質という面でいえばこのTHETA Sでも、フルサイズ一眼とかに比べればハナクソみたいなものではあります。そして、このTHETA Sの真骨頂というのは画質うんぬんとはかけ離れたところにこそあるのかな、と思います。
ひとことで言えば「究極のアンチ一眼レフ」とでも 言いましょうか。一眼で写真を撮るような写真好きは、旅先とかで出会った被写体をその人独自のセンスで切り取り、その切り取った被写体を見せることで背景にある空間の広がりや雰囲気を如何に伝えることができるか、という点が面白さであって腕の見せ所だと思います。
ですが、このカメラはそういう部分をバッサリと切り捨てるように、その「空間自体」を全て一発で記録してしまう、という恐ろしくも面白いシロモノなのですよね。
百聞は一見にしかず。蔵王にて撮った樹氷原の写真です。
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RICOH THETA.
#theta360 –
普通の写真だったら被写体として主題が〜とか副題が〜とか見せ方を考えるのだけど、これはどちらかというと「見る側」が自由に見方を決めることが出来るような気がします。グリグリと画像を回して隠れた画を探る作業はなんとも楽しいです。
で、このカメラ、基本的に自撮りです。スマホをリモコン的に使って、自分が隠れてとることもできますが、とにかく隠れるにしても完全に死角に入る必要があるので、 苦労します(笑)。下の写真は仙台市内某神社にて隠れて撮った写真です。
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RICOH THETA.
#theta360 –
ですので、自撮りが好きではない人には向かないカメラなのかもしれませんね。ただし、この空間を切り取るというのは、思いのほか楽しいもので、とにかく視野角を大きく超えた写真が撮れるので、実際に自分がとったものであってもあとから見ると「こんなところにこんなものが写ってる!」というのが多々有ります。
また、最近はVRが少しずつ騒がれていますが、この全天球で撮った写真はVR的な使用も当然ながら出来ます。Google Cardboard I/O 2015(グーグル・カードボード) こういう簡易的なものとスマホだけでも、思いのほか臨場感にあふれたVRが楽しめたり。
全天球という分野はもしかすると今後の映像のスタンダードなものの一つになる可能性もあるのかな、とそんなことを感じさせるカメラですね。